オレンジ色の校舎





「よし、出来たわ。結構手間がかかっちゃったけど」



「ううん。ありがとう!」



「いいえ。さぁ、いってらっ…」



「は、遥っ!?」



「お…お父さん」



家を出ようとした時に、まさかのお父さんが帰ってきた。



「遥、お前浴衣なんか着てどこに行くんだ?今日は花火大会があったか?なぁ遥…」



「うるさいわね。遥は急いでるのよ」



お父さんの質問攻撃をストレートに返すお母さん。



「か、母さんには聞いてな…」



「あーもう、うるさいわね。遥は今から好きな人に会いに行くのよっ。余計な口出しはしないで」



「す…好きな人!?」



お父さんは目が飛び出そうなくらいに目を丸くした。



「ち、ちょ…お母さんあたしそんなこと一言も言ってな…」



「いってらっしゃーい、遥!」



用意をしていた荷物持たされ、背中を押され、家から追い出されたあたし。






< 237 / 574 >

この作品をシェア

pagetop