オレンジ色の校舎
そして、いつものようにバイトに励んでいたあたしの前に
「おす、遥」
「……よ!」
瀬川くんと一馬くんが現れた。まさかの2人の登場にビックリしてしまった。
「ど、ど、どうしたの?」
「永納に、遥の働き具合を見てこいって頼まれて」
「麻衣に?」
「そうそう。おばちゃん達にツブされてないかって心配してたぞ」
心配してくれるのはありがたいけど…この2人に頼むのは無理があるよ、麻衣。
「まさか遥が、本当にバイトしてるとは思わなかったけど」
「ふーんだっ。あたしだって働くときは働くのっ」
「ははは。だって浅井は粘り強いもんなっ」
あたしと一馬くんのやり取りを見て、瀬川くんが笑う。あたしの胸は一気に痛む。
あたしが一馬くんとじゃれていても、瀬川くんは…何とも思わないのかな?