オレンジ色の校舎





そして、いつものようにバイトに励んでいたあたしの前に



「おす、遥」



「……よ!」



瀬川くんと一馬くんが現れた。まさかの2人の登場にビックリしてしまった。



「ど、ど、どうしたの?」



「永納に、遥の働き具合を見てこいって頼まれて」



「麻衣に?」



「そうそう。おばちゃん達にツブされてないかって心配してたぞ」



心配してくれるのはありがたいけど…この2人に頼むのは無理があるよ、麻衣。



「まさか遥が、本当にバイトしてるとは思わなかったけど」



「ふーんだっ。あたしだって働くときは働くのっ」



「ははは。だって浅井は粘り強いもんなっ」



あたしと一馬くんのやり取りを見て、瀬川くんが笑う。あたしの胸は一気に痛む。



あたしが一馬くんとじゃれていても、瀬川くんは…何とも思わないのかな?






< 473 / 574 >

この作品をシェア

pagetop