オレンジ色の校舎





だが、その努力も数分で無駄になった。参拝客がたくさんいるおかげで…



「あ…わわわ…みんなぁ」



あたしは人混みに流されるハメになった。止まることも出来ずにあたしは後方へ追いやられる。



みんなと離れる!嘘でしょ!?やだやだ…誰か気づいてよぉ。



「おい」



ぐいっ。



誰かに腕を引っ張られて、後方に流されなくなった。よかっ…



「いなくなるとかマジで焦るっ」



あたしの腕を掴んでくれたのは、瀬川くんだった。ビックリし過ぎて声が出ない。



「どうした、浅井?そんなに人混みが怖かったか?」



「ち、違うよっ。ただ…助けてくれて…ありがとう…」



「いえいえ。浅井が無事でよかった。迷子にでもなったらどうしようかと…」



「瀬川くーん、あたしはもう高校生だよ!?」



もう……子供じゃないんだって。






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