オレンジ色の校舎





「…あのー、俺入っても大丈夫っすかー?」



たっちーが申し訳無さそうにあたしと麻衣の間に顔を出し、あたし達はニコッとした。



「で、浅井からもってことなんだよな?」



「あ…うんっ、そ、そう。ああああたしと麻衣からなのっ」



チラッと麻衣を見た。小さくグッドサインをする麻衣。…麻衣のあほ。



「じゃあ、コレ貰ってくれる?って言っても、永納と大体同じモンなんだけどな」



「あ…うん。ありがとう」



なんだか今度はあたしが申し訳無いな。チョコ作りは一緒にしたけど、あれは麻衣からだったわけだし。



あたしが小包を受け取ると、たっちーは瀬川くん達の元へ戻った。



「ごめんね、遥?」



「ふぅっ…もういいよー。でも、よかったのかな?本当はあたしからじゃないし…」



「いいのいいの。たっちーだからね」



…麻衣さーん、それたっちー聞いたら泣いちゃうよ。






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