Door

友達

『えー!それもったいないー!
付き合っちゃえばよかったのに。』

社内食堂、そして昼休み。
裕子と私はランチに来ていた。

合コンにも一緒に行って、そのあとしつこいくらいに聞かれたから
一部始終話したのだ。


「だから言ってるでしょ。付き合う前に、さよならって言っちゃうの。
あんなかっこよかったらきっとほかに彼女いるって。」

心にもないことを言ってごまかす自分に苦笑いした。


『嘘つき。気になってたくせに。
だから前に進めないんだよー。』

と言う裕子は大学時代からの彼氏ともう3年も付き合っている。


「裕子はいいじゃん、彼氏いるんだからー。
結婚できるように頑張って。」

裕子には幸せになってほしい。私の分まで。
それは本当に思っている。


『はぁ、私も愛子には幸せになってほしいんだけどなぁ。』

裕子はため息をついて、飲みかけのお茶を飲み干した。





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