Door

私のドア

ピンポーン。


「はーい。」

1分も経たないうちに部屋のチャイムが鳴った。
今まで家に入れたことないから
覚悟はしていたけど、声が少し上ずってしまう。


久々にちゃんと見た彼は今シューカツから帰ってきたのか
スーツを着たままで、普段のラフな感じじゃないギャップで
まっすぐ見つめられるとドキッとしてしまう。
普通に似合っていたから、余計に。


『大丈夫?俺に気ぃ使わなくていいから。
家に入るの、今じゃなくてもいいから。』

彼は穏やかにそう言った。

「ううん、ありがとう。
でも、海斗に入ってほしいんだ。」

私はそう言って強引に海斗の手をひいて
家の中に引っ張った。


< 40 / 50 >

この作品をシェア

pagetop