Door

デート

『愛子ちゃん可愛い。モテるでしょー?』

「またまたぁ」

私は適当に相槌を打ってその場を逃げる。
こういうの最近慣れた。

あれからというもの、今まで行ったことがなかった合コンに参加したり
今まで以上に友達と一緒に過ごす時間が増えた。

だけどどんな男からも「可愛い」「付き合って」って言われても
なんとも思わなくって、あははっていつも逃げていた。



でも今日はお酒のせいもあって私を「可愛い」って言った
いかにもプレイボーイな怜治さんと翌日デートをすることになった。



帰ってから、眠い目をこすって受信メールを見てみると怜治さんだった。

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件名 今日は楽しかった(^^)

きっと酔ってるだろうから、
明日は13時くらいに横浜駅で待ち合わせる?
初めてだからなんかデートってなると緊張しちゃうな。
楽しみにしてる。

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返信打つ気力もなかったから、そのまま電話をした。
すると1コールで出た。

『もしもし愛子ちゃん、どうした?』

寝る前の少し甘い声に思わずドキっとした。

「あの、メールありがとうございます。
メールする前に寝てしまいそうだったんで
電話にしたんです。
明日の待ち合わせ、大丈夫です。」

それだけ言って、受話器を置いて、私は深い深い眠りに落ちた。




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