執事と共に謎解きを。
「わりーわりーお嬢さん、シラヤナギ様から明日の夕食……」


いつものように無遠慮に開かれた扉の向こうの夏樹と、恵理夜の目が合う。


「……もっとわりー、どうしたの」


恵理夜は泣いていた。


「春樹が……」

「春樹が、どうしたって」


恵理夜は、ただ首を振った。

レミコの言葉を思い出し、ただひたすらに動揺していた。


「どうしたんだって、言ってみ?」


夏樹は、恵理夜の頭を撫でる。それでも、恵理夜は何も言えなかった。


「しょうがねーな。とりあえず春樹呼んで……ってお嬢さん?」


夏樹の袖を恵理夜が強く握っていた。


「参ったなー……」


夏樹は、頭を掻いていた。
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