ハク息がシロイ


教室に行くと、丸井衿葉(まるい えりは)が私を見て抱きついてきた。
「刹那ぁ(せつな)――!!」
衿葉は背が小さくて可愛い。髪の毛はふわふわでうさぎみたい。
「昨日ね、春馬くんの誕生日きけたんだよぉっ!すごく嬉しいっ」
衿葉は多分、水谷くんが好きだ。水谷くんの話をする時はいつも恥ずかしそうに話す。
恋をしている衿葉はうんと可愛い。
衿葉と入り口で話していると後ろに気配を感じた。
「・・・・邪魔」
振り向くと、水谷夏騎(みずたに なつき)が立っていた。
水谷く・・・春馬くんとは兄弟で水谷家の二男で無口で春馬くんに負けないくらい
その・・・イケメンです。
「ご、ごめんなさい」
何故か敬語っぽく夏騎くんには話してしまう。夏騎くんは大人びてるから。
衿葉はちょっと顔をしかめた。
「夏騎くん・・・ちょっと怖いよね・・・。」
衿葉は少し苦手らしい。
でも私は何か惹かれるものを感じている。
そう一人で考えていると、
男子が教室でボール遊びをしていてそのボールが私一直線に飛んできた。
背を向けて目をつぶる。でも当たる気配はない。
おそるおそる目を開けてみると、目の前にいたのは
「だめだねぇ、女の子にボールを当てるのは。正確には当たりそうになっただけどね。」
でた。水谷家の三男、水谷聖(みずたに あきら)。
女ったらしで有名。顔は良いしモテるのも分かるけど、噂では5又を越えてるとか。 
「・・・ありがとう・・・。」
「いえいえ♪」
そういうと衿葉に話しかけた。
「衿葉ちゃん、この前のノート!助かったよん」
衿葉のノートを、聖くんはよくを借りる。
聖くんは衿葉を気に入ってるようだ。衿葉は鈍感だから気づかないみたいだけど。
さっきボールを飛ばしてきた男子に目をやると、ルーム長に怒られてた。
「あなたたちは、全く!場所を考えなさい。」
水谷 雪(みずたに ゆき)。水谷家の四男。
イケメンというより、美人で女子も顔負けって感じ・・・。
そのため、男子からの反感はかいにくい。
私のクラスにはあまり似ていない水谷兄弟がいる。
母親が別々という訳ありの噂を聞いたことがあったっけ??
家庭が複雑なのかな??
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