time-is-money.
NINE





目覚ましの音で
ぱちりと目を開く。



あぁ何だやっぱり夢だった。


当たり前だけれど
見える景色はいつもと変わらない私の部屋で。
パステルの空間でもなく、
キラキラした粉が舞い落ちてくることも無かった。



それに何より



「きぃがいないし。」


なんてね。




.......



「夢から出てきたの..???」



どうやら全部が夢だった
訳じゃないらしい。



この子は
“現実”に“実在”している。



「...ソルト??」


昨日と同じように呼びかける。



「なぁに??」


昨日と同じように愛らしく返事をする。

私がそっと手の甲で撫でてやれば目を細める目の前の小さな子。

何でだろうこの感じ..



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