ある17歳における不明瞭な愛についての考察









「あたし」には、あなたの笑顔が見たいという気持ちがあるが、「かまってほしい」などとは恥ずかしくて言えないため、照れ隠しをしているのである。








これ、模範解答。

恥ずかしいから言わないけど、いつも思ってること。







「有斗は国語べんきょーしなよ」

机につっぷして、有斗を見上げて、あたしはやっぱり小憎たらしいことしか言えなくて。



「うわっ、ひでぇ」


でも、

ふへへって、有斗のいつもの笑い方を見ることができるから、それもいいかもって思う。





有斗の机の上に可愛くないペンギンを描いて、吹き出しにセリフを入れる。

「すーがくとあたし、どっちが大事なのよーう!」

……なんて昼ドラちっくな鳥類なんだろう。






そしたら有斗、あたしのシャーペンを奪いとって隣にもう一羽ペンギンを連れてくる。
まゆげがきゅっ!と吊り上がった、オトコマエなペンギン。



オトコマエペンギンくんは、ただひとことだけ言った。



「ちゆきがいちばん。」








< 29 / 58 >

この作品をシェア

pagetop