「ワタリガラス」


今日も、彼女は空を飛んでいます。

彼女の行く先々で人々は嫌な顔をします。

迷惑な鳥がやってきた。

そんなことを言って人々は家の中に閉じこもってしまいます。

誰も、望んで不幸になろうとは思わないからです。


誰もいなくなった公園で彼女は羽を休めました。

自分は、自分こそが不幸の象徴。そんなことを考えて。

街の風景を見ていました。

そこへ。


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