駆け抜けた少女ー二幕ー【完】

広間を走り回る原田と矢央を眺めながら、矢央を新撰組へと連れて帰って来た二人は笑う。

一時は迷った。 敵になるかもしれないが、矢央を攘夷派に置いておいた方がいいのかもしれないと。


けれど、矢央は辛かろうが新撰組を選び成長した。

もしかしたら、そのことをこれから先後悔する日が来るかもしれないが……。



「今では、あいつも新撰組の仲間だ。 無くてはならねぇ存在。 あいつは、自力で居場所を掴みとったんだ」

「寂しそうだな?」

「ああ、ちょっとな。 でも、それ以上に嬉しいのさ」



成長し続ける少女。

その逞しさは、男である己達も見習うべきだ。



「原田さんっ! 今夜は飯抜きだぁぁっ!」

「なんだとぉぉっ!?」

「おわっ! ちょっ…原田さんに矢央さん、診察中ですよ! それ以上騒ぐなら容赦なく斬っちゃいますけどいいですかぁ?」

「「よくないわぁぁぁっっ!!」」


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