黒と白
踏み出した日から私は、1ヶ月の手続き期間を経て、フリースクールで残りの学生生活を終えた。

最初はたったの五分しかあの中に居られなかった。
全ての人がマネキンに見えて気持ちが悪くて仕方なかった。
そうじゃないと思えたのは、きっと小さな子が多かったからだと思う。
まだ幼いのに、自分自身を見ている気にする。だからきっと放っておけなくて、世話を役うちに、私の周りは人だらけになった。
まだ、夜には少しだけだけれど、松の木に会いに行っている。
やっぱりあそこだけは、どんなときでも私を私でいさせてくれた。
< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop