alternativeⅡ
アレクセイの言葉は、何の根拠もなかった。

ルシファーと蒼真を信じる。

只の精神論に過ぎない。

そんなものに縋らなければならないほど、アレクセイ分隊の信頼関係は崩壊していた。

それぞれが別の支部から集められた、何の面識もない兵士達。

本来それだけでもすぐにはチームワークなど取れないというのに、妃がルシファーと蒼真の怨敵とあっては、最早絶望的に等しい。

人類の命運を賭けた一戦。

その直前という時になって、要である部隊は今尚足並みすら揃える事ができない。

…『敗北』。

人類の存続を託す上では絶対に許されない、しかし限りなくリアルな結末が隊員達の双肩に重く圧し掛かる。

< 139 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop