嬢王と夜王の偽装恋愛
あたしは、店長から
名刺をもらうため
キャストルームを出た。
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店長室から帰る途中、
誰かの話し声が聞こえた。
あたしは、とっさに足がとまり
耳をすました。
「なんで?ねえ・・」
美姫さん・・・?
「お前のおかげだと思ってる。
でも、今の俺にお前はいらねー」
男・・?
「あたしを利用したの?」
「お互いそういう仕事だろ?」
冷たくつきささる言葉・・・。
「やだ・・。あたしは、京夜がいないと
がんばってけないの」
「いい歳して、そんなこと言ってんじゃねー」
「やだよ・・・。あたし・・」
「あ、俺そろそろ行くわ」
「待って!京夜!」
やべ・・・。
ホストの人とチラっと目が合った。
「盗み聞きしてんじゃねーよ。みてこ」
は?
・・・。
みてこじゃねーし!
って言ってやりたかったけど、
美姫さんにばれたくないし・・。
とりあえず
我慢した。
きっと・・・。
美姫さんはしばらく
泣いてから
キャストルームに戻ってきた。