Voice
…でも、”自信過剰な奴”と思ってたのに、

意外とそうでも無くて…。






本当は、素直で努力家で…。



遠夜のこと、本気で心配してるんだ。







…なんだよ、

ちょっとは、いい所あるじゃん。






「あっ…やっべぇ…。」




梓は、頭を押さえて言った。





「ん?どうした?」





私が、そう聞くと、梓は、苦笑いをして言った。





「…つい、愚痴っちまった。

俺は、お前の先輩だってのにな。




それに、まだ終わったって、決まった訳じゃねーしな!

絶対に成功してやるぞ!

ナイトも見てろよ!!な?」




梓は、そう言うと、

また、譜面を開いて、読みだした。





そんな姿を見て、思わず笑ってしまった。






なんか変な奴。






私の時は、嫉妬のあまり、

あんなに、冷たくて厳しい、





嫌みな奴に、なっちゃったのに、




ナイトになると、

冷たさなんかっとも無くて、






いい奴になる。






…全く。


素直なんだか、我侭なのか、

わからなくなった気が、した。


< 111 / 369 >

この作品をシェア

pagetop