Voice
キャサリーは、私達が車から降りると、

すぐに向こうから、走って来た。



そばに来ると、鼻を刺すような香水の匂いがして、吐き気を感じた。




この態度や口調、仕草といい…


”ブリっ子”感を、漂わせていた。



…梓に、猛烈アタックしている…つもりなのだろうか。



体をクネクネさせてみたり、

…はたまた、上目使いでウインクしてみたり…。




…本当に、わかりやすいなぁ~。。。…この子。(空回りしてるけど。)



そんな気持ちに、気付いてないのか、(その気が無いのか)、

梓は、私と話す時と同じように、素っ気無い態度だった。




「あぁ…よろしく。」




社長は、キャサリーに、笑顔で言った。



「キャサリー。今日は突然だったが、期待してるよ」




「はい~。

キャサリーはぁ、こう見えてもぉ、

小さい頃からピアノ習ってたんですぅ♪

バッチリ、任せてください♪」




キャサリーは、社長にそう言うと、

梓や私に向かって、パチっと、ウインクしてきた。




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