Voice
…オェッ。

気持ち悪い…。




駄目だ。

この子、一生好きになれそうに無いタイプ。



梓は、何事も無かったかのように、

その場を歩き出した。






「あ~ん。

梓くん、待ってください!」





キャサリーは、その後を追うように、歩き出した。




腰をクネクネさせながら、甘い声色で「梓クン」なんて言って…。



 梓も遠夜も、初めて見たときは、

十分、異世界の住民だと思ってたけれど…。







キャサリ-に比べたら、どうってことない!!






その時、心からそう思えた。







…それにしたって。

本当にキャサリーは、ピアノなんか弾けるのだろうか?






…おかしいな、私。

梓のことなんか、どうでもいいはずなのに…。


心の片隅の、


ずっと奥のほうに住んでいる私が、



「心配だ…。」と呟いていた。


< 114 / 369 >

この作品をシェア

pagetop