Voice
ちょっと、待って。
これは、何かの間違えだ…。
私は、大きく首を降って言った。
「待ってよ!
何、その話!
私、全然聞いてない!」
すると、遠夜は、
私の肩に乗ってる
梓の腕を払って言った。
「そりゃあ、そうだよ。
この話は、
今日の朝、
社長が
決めたばっかりだから。
その場に居合わせた、
俺と梓しか知らないよ。」
梓も頷いて、続けるように話した。
「そうそう。
って、言っても、
昨日、美紀が、
『メロディー』のピアノ伴奏を
弾いた瞬間に、
決まったも同然だったからな。
驚くことも無いだろ。
って言うか、美紀も、知ってたから、
引き受けたんだろ?
…まさか、知らなかったなんて…。」