Voice
「うん!
そのまさかなの。
しかも、ヒロインの親友役!」
そう言うと、
響子さん(と、呼ばせてもらう)は、
私の方を見た。
思わず固まると、
梓が「あぁ。」と、
私を紹介してくれた。
「俺の隣に座ってるのが、美紀。
今回の俺の相手役。な?」
響子さんは、頷いて言った。
「知ってるよ。
美紀さんでしょ?
この間のピアノ伴奏!
私、テレビで見てたんだけど、
すごく素敵だったよ!
後で、
練習、ほとんどしないで、
弾いたって噂聞いて、
ビックリしちゃった。」
綺麗な顔で
そんな褒められちゃったから、
照れてしまう。
「い、いえ!
あんなの全っ然です!!
もう、恥ずかしい演奏で…。」
慌てふためいて言うと、
響子さんは、
首を振って言った。