Voice
「お世辞なんかじゃないよ!
突然、
伴奏者が失踪しちゃって、
即座に対応して弾いた
って言うじゃない。
あそこまで
弾ける人なんて、
そんなにいないわよ。
それに何より。
この仕事に厳しい梓が
認めたんだから!
もっと、自信持って!!」
「おまえなぁ!
それ以上余計なこと言うなよ!」
梓が、
横からそう言うと、
響子さんは、
ニコッと笑って
「だって、本当のことでしょ?」
と言った。
梓は、
言い返さず、
ムスッとしていた。