Voice
 黙って座っていると、

隣に、これまた、偉そうな男の人が座った。





 すると、社長が、やって来て

その人に言った。




「監督!

すみません!

時間を取らせてしまって。」





…そっかぁ。

この人が、今回の監督の人なのか。






「いや、私の方は全然平気ですよ。

それより大丈夫ですか?

そろそろ、始めたいのですが。」





社長は、頷いて言った。




「はい!

よろしくお願いします。

彼、今日が始めてなので、

その辺の方をよろしくお願いします。」





監督は、笑顔で頷き、立ち上がった。



”パチパチ”←手を叩いた音。





「それじゃ、始めよう!


オケの方は平気か?

まず、ベルだけで、リハ行ってみようか。」





監督の人は、大きな声で言った。





私は、初めて、その譜面を開いた。








譜読みは得意な方。








好きな曲だと、

一回聴けば、完璧に歌える自信がある。




ちょうど良いタイミングで、

オケの伴奏が流れ始める。






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