Voice
「ちょっとよろしいですか?」




突然、綺麗な女の人に

声をかけられた。







…どうしよう!!

お、落ち着け。

冷静に。







私は、深呼吸をして、

声をなるべく低くして返事をした。






「…はい。何か?」





すると、女の人は、にこやかに言った。





「スタイリストの者ですが、

少しだけ整えさせて頂いてよろしいでしょうか。」





…こ、困る!

だって、どうにか結んで隠してるけど、

実は髪の毛長いし!






しかも、体とか触られたら、いくらなんでも…。





「おい!

そこの君。彼のことはいいから!

オケの人の方を、もう一度確認してきてくれ。」





ナイス!

社長!!






ちょうど良く社長が、通りかかって言った。





「…ふぅ。」




私が息をつくと、社長は笑顔で言った。





「…君は取り合えず、こっちに来て座ってなさい。

もうすぐでリハーサルが始まるから。」






「…はい。」






…我慢だ、我慢。


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