Voice

12.ベルの歌声

☆12☆




 伴奏のオケが、静かになると、

ベルは歌いだした。





「…夜になると

何故か寂しくなる…

不思議だね…もう半年も経ったのに…。」







「…あ…。」

ベルの歌を、聞いた瞬間、

手に持っていた譜面を、落としそうになった。







…な、何なの?!




この心踊らせる歌は…。


寒気がするほどの充実感は…。







全身が振るえて、足がガクガクする!







…凄い!凄いよ!!!


こんな感動は、今まで一度だって無い!






大好きなオペラでも、感じた事がないよ!







…なんだか、すごくウキウキしてるのが、


わかるし…。








ホント悔しいくらいに、気持ちが良い!!!











 胸に、手を添えて、目を瞑ってみる…。










そっか…。


これだ!!


これなんだ!!!!







私が、ずっと求めていたのは、


この歌…いや!違う!


この『声』なんだ!!








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