Voice
私は、予想外にも、すごく感動してしまった。







さっきまで、嫌いなんて言っていたのが、

嘘みたいに。





…社長に、私のプライドを侮辱されて、


ポップスなんか糞食らえ!!





絶対に、好きにならないぞ!!





歌うのだって、これ一回きりだ!

…って思っていたけれど。








何故か今、素直な気持ちで、

自分は、間違ってたかもしれない…って思える。








…今までの、ポップス嫌いのプライドは、

ほんの少し残ってるけれど…。







私は、何よりも歌うことが好きだから!!!







こんな素敵な声の持ち主と、歌えるなんて、


私って…幸せなのかな?








いやいや!

これ一回きりでも、すごく光栄なことだ。






プライドなんて捨ててやる!







「ふぅ…。よしっ!!」





深呼吸をし、気合いを入れ、譜面を開いて、

目に焼き付けるように見た。







…これ一回きりなんだ!!





頑張らなきゃ!


彼女に、劣らないようにするぞ!!
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