Voice



「おい…。

お前ら朝から何やってんだよ!」




あっ、この声は!

と振り向くと、

制服の衣装を着た

呆れ顔の梓と

驚いた顔をした響子さんがいた。



「あっ、おはよう!」




…あ。

と言うか、この状況…。




めちゃくちゃ恥ずかしいことに気がついて

慌てて離れた。





「あ、梓。

昨日は色々とありがとう。」



そうだ。

お礼言わなきゃ。



「もう、大丈夫なのか?」



心配そうな表情で言う梓に

笑顔で返した。




「うん。

もう平気!

本当にありがとう。」




「…なら、いい。

もう、あんま無理すんなよ。」





「何かあったの?」




遠夜が驚いたように聞いてきた。






「うん。

倒れた時に、運んでもらったり、


…まあ、

色々、助けてもらったんだ。」




「へぇー!

めずらしい!!


梓もたまには、

いい所あるじゃない!!」




響子さんが笑いながら、

そう言うと、「悪かったな!」と、

梓が言った。




「そう…なんだ。」




遠夜?


少し表情が曇った気がしたけど、



次の瞬間には、いつもの笑顔で

「よかったね。」と、言った。




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