ふたりだけの特別な絆
「そっか…。陽菜ちゃん、課長のこと…そんな風に思ってたんだ…。」
水澤さんは瞳を揺らしながら、震える声を零す。
「なんだか…、私が入り込める隙は無さそうだね…。」
「…………。」
寂しさが漂わせながら、水澤さんが微笑んだ時だった。
「陽菜っ…。」
聞こえてきたのは私を呼ぶ声。
私と水澤さんがすぐに視線を向けると、家の前の道のところで立っている悠哉さんの姿が映った。
「ゆ、悠哉さん…!?」
ビックリする私を見つめながら、ゆっくりと近付いてくる悠哉さん。
その顔は…何やら驚いているような感じに見えた。
「今、言ってたこと…本当?」
傍までやって来た悠哉さんから真っ先に飛び出した質問。
それを聞いた途端、私の体はみるみるうちに熱を帯びていってしまった。