ふたりだけの特別な絆
そんなプレッシャーなこと言わないで欲しいんですけど…。
リビングのソファーに座り、こちらを笑顔で見ている如月さんから、慌てて視線を逸らした。
お手並み…見せられるほど、料理出来ないんだよなぁ…。
如月さんの言葉にイライラして、ついつい強気な発言をしてしまったことを今更ながら後悔した。
…というのも、私の料理経験と言えば、学校の調理実習や、お母さんの夕飯作りのお手伝いを、ほんのちょっとしてきた程度だ。
まさに、料理初心者。
料理するのが嫌い…というわけじゃないし、色んなものを作ってみたい…と思っている。
でも、いつでも出来るからいいや…と呑気に構えてたのが、間違いだった…。
こんな風に料理のことで困ることになるなんて、思ってもみなかったよ…。
はぁ…と大きなため息を零した。
どうしようかな…夕ご飯のメニュー。
うーん…と唸りながら、冷蔵庫の隣に置かれている小さな棚に視線を向けた。