超能力者だけの世界で。


「はぁ…。」


エレキは深い溜め息が出る。

敷地内に大きな木があった。
よじ登って、太い枝に座る。


ヘッドホンを耳に掛ける。
空を見上げる。


いつの間にか、綺麗な青空である。



「アイツの事…大嫌いだ。」



呟くように言う。


小さい時は、何も知らずに後について行っていた。


そう、誰もが優しさというものを持っていると感じて。


でも、例外がすぐ側にいた。




少年は、本当の優しさを知らずにいる…。




エレキは何も考えず音楽を聴いていた。


すると、声がする。



「おーい。」

「はーい?」



エレキは、変な反応をしてしまう。


木を見上げている青年が1人。
銀髪、水色の目。
首に黒いリボンを結んでいる。

服は、
襟が比較的大きく開いている白いセーター。

中には、何も着ていないらしい。ジーンズを穿いている。



「おーい。新入り?」

「はい。」

「俺は青崎 氷河。よろしくな。」

「磁波エレキです。」

「よろしくな。
で、訊きたい事があんだけどよ。」



青崎氷河は、木を登ってエレキの隣に座った。

エレキの肩に手を置いて言う。



「子供を見なかった?知り合いから預かってるんだけどよ…」



< 11 / 170 >

この作品をシェア

pagetop