ひみつのはら

「そっか。……ありがとうね、こっちゃん」


 みさきちゃん、信じてくれたかな?本当なんだよ。ウソじゃないよ。


 ……けっきょく、ほとんど何も分かんないまま、あたしたちは帰った。


「これ以上は迷惑かけるから」っておねえちゃんが言ったから。


 だけど、だけど。ぜんぜんスッキリしないよ!


「おねえちゃん、ちょっとトイレ行ってくるね!」


 気づいたら、あたしは走ってた。向かうのは、トイレなんかじゃない。


 今行ったところ。


 おねえちゃんやみさきちゃん、みんなを信じないわけじゃないんだけどね。


 ダメな気がしたの。


 あたしが、自分でやらなきゃダメな気がしたの。



「みさきちゃん!」


 あたしがもどって来て、みさきちゃんはビックリする。


「ど、どうしたの?忘れもの?」


「あの、あのね。教えてほしいの」


「え?何を?」


 あたし、決めた。


「たっくんの、おじいちゃんの電話番号、教えて!」


 全部が分かるまで、調べるんだ!!



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