ひみつのはら
「何だよそれ!心配してソンした!」
わ、「ありがとう」って言うつもりが、いつもの癖でこんなことに。
結局たっくんに「ゼッコウだ!」って言われたまま、バスは動物園に到着した。
♪
「それじゃ皆、楽しんできてね。よーい、ドンッ!!」
先生の短い話の後、各家族ごとの行動ってことで、解散したあたし達。
みんな真っ先に親の所へ駆けて行く。
あたしは駆けて行く相手がいないから、そこに突っ立ってた。
「こっちゃ~ん、こっちこっち~」
みゆきちゃんの声が聞こえる……と思ったら、目の前に躍り出た。
お母さんの所より先に、あたしの所に来てくれたんだ……。
「一緒に探そ」
……いつもは、さっちゃんとさっちゃんママが探してくれてた。あたしはずっと待っていた。
今回は、あたしが探す。みんなみたいに、駆け寄れる相手がいる。
みんなにはきっと、そんなの当たり前すぎて分からない。
でも、あたしはそれがずっとうらやましかった。
「あ、美雪~、こっちゃ~ん、こっちこっち~」
みゆきママの声が聞こえた。みゆきちゃんとあたしは顔を見合わせて、笑った。
「「見~つけたッ」」
手をつないで駆け寄るあたし達を、みゆきママはおっきな笑顔で迎える。