不器用な僕たち
「俺、浩平くんちに泊っていい?」
「…えっ?どうして?ここに泊ればいいじゃない」
ここに泊まれと言う千亜紀。
兄貴が見ていないのをいいことに、千亜紀は『ありがとう!浩平くんの所に泊ってね』と目をキラキラさせている。
「浩平んとこに?それなら、浩平をここに呼んで4人で泊るか!」
「…はっ!?」
俺と千亜紀は同時に眉間に皺を寄寄せ、素っ頓狂な声を上げる。
きっと俺も千亜紀も「何言ってんだよ!」と思うことは同じに違いない。
兄貴は不思議そうな顔をして「その方が楽しいだろ?」なんて呑気なことを言う。
さらに…さらに、タイミング悪いことに。
――ピンポーン……
「おっ、雅人!久しぶりだな!千亜紀ちゃんも」
浩平くんがやって来る。