秘密のフィアンセ☆
部屋はたくさんあるけれど、どこも閉まっていた。


時々、人の声がするのは、組員なんだろう。


「ねえ、婚約、本当にするの?」


私はこの期に及んでも、まだ納得できない。


すると、一歩前を歩いていた佑斗が立ち止まり、振り向いた。


眉間にシワを寄せ、怖い顔つきだ。


「お前は、どうしたいんだよ」


「私は、婚約なんてしたくないよ」


しかも、ヤクザと…。


普通、有り得ないでしょ。


ジッと佑斗に見つめられ、ドキドキするどころか、怖い。


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