秘密のフィアンセ☆
「で?その人ってどんな人?」


どうせ、抵抗したって、話しは進むのよ。


それなら、どういう人かを知ってから、相手と協力して破談にするしかない。


きっと相手だって、こんな婚約話し嫌に決まっているわ。


「う~ん。それはすぐに分かるよ」


さっきまでは、勢いよく話しをしていたのに、急に父は言葉を濁し始めた。


「何?言えないことなの?」


父が言葉を濁す時は、大体言い辛い事だ。


急に、私は不安になった。


「先入観が良くないからな。それと、正式な婚約と同時に、お前はあちらの家で修行をしてもらうからな」


「えっ?どういう事!?相手の家へ住むって事?」


父の言っている意味がいまいち飲み込めず、頭が混乱する。


すると、少しだけ父は気まずそうな顔をして言った。


「そうだ。相手の家へ住むって事だ」

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