子うさぎのお世話




棗は押し寄せる男達に向かってにんまり笑うと……



「藤間時春に殺される覚悟があるヤツは止めないわよ……?」



…一言。



「「………!!!」」



いきなりざわめきはなくなり男子達の顔が心なしか青ざめていく。



そしてあっという間に人垣はザザ~っとまるで波が退くようになくなったのだ。



雪兎はほっと一息ついて、つたないながらも接客係の役目を果たしに向かった。



雪兎はたいしてよく解っていなかったけれど……



この高校の者なら誰でも、ひときわ大人びて上級生にまで一目置かれるただ者ならぬ藤間時春が、彼女を溺愛しているのは有名で……



それに楯突く勇気あるものはなかなかいないのだ。



なにしろ雪兎をチラ見するだけで殺すぞ!!…ってくらいに睨まれるので



その先は考えるだけでも恐ろしかったり…………。






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