子うさぎのお世話

アキの思い

――バン…ッ!


棗が苛立った様子で教室から出ていった。


秋良は自分のクラスではない1‐Cの棗の席に座り、ぼんやりと頬杖をついていた。


最近なんだか楽しくない……。


原因は棗の苛立ちの原因でもある、


雪兎と時春のぎこちなさ………。


あの仲の良い幸せな二人を見るのが好きだった。


いつも互いしか見えてない二人……。


うらやましかったんだぞ………!


ハルは何をやってんだよ!?


せめて、何を考えているのか教えてほしいかった。


友達なんだぞ……!!


いくらだって力になるのに………。


こんな時くらい頼れよな………。


まぁ…押し掛け友達な感はあるけれど……。


それでも、


「いい友達だって…思ってたのは俺だけなのかよぉ…………」



秋良はつぶやくと棗の机に突っ伏した。

< 155 / 197 >

この作品をシェア

pagetop