子うさぎのお世話
時春は英彰に向き直り、


「おまえなんかより……友達の方がよっぽどうさを知ってた。うさはそんなに弱くないんだ。……俺は知ってたはずなのに…自分自身に囚われて見えなくなってた」


おかげで気合いを入れられた…と、口の端をペロリと舐めた。


そこは微かに赤く切れていた。


それから雪兎が大好きなニィと余裕綽々の笑みを口に描き、


何も言えないまま立ち尽くす英彰を見据えた。


「………!?」


英彰をじっと見つめたまま……


「……ぁ…は…っ」


雪兎の首筋に噛みつくように口付けて……






「……雪兎は俺のものだ。今さらおまえには死んでもやらない」


「…………!!!」





息を乱す雪兎の首筋には、時春が付けた赤い花が……白い肌に艶かしく栄えていた。
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