子うさぎのお世話

子うさぎの思い

「………すわるの」


「………!」


家のリビングに入ると雪兎は突然そう言って時春をキッと睨んだ。


雪兎の可愛らしい声は不機嫌で、桜貝のような爪がはまった細い指はソファを指している。


どうも雪兎に逆らえない時春は訳もわからずソファに座り、困惑の表情で雪兎を見つめた。



「ハル……とっても悪い子ね。夜遊びなんていけない子…」


「………!?」


――キシ…と、微かに音をさせて雪兎がソファに手をついて……


時春の膝の上に上がってくる。


短めの制服のスカートから覗く真っ白な彼女の太股が艶かしい………。


「………う…さ…?」


「昨日はどこにいたの……?」


雪兎は時春の赤く切れた口元に細い指をはわせた。


甘い雪兎の香りが時春を困惑させると同時に煽りたてた………。







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