子うさぎのお世話
神父によって結婚宣言が高らかにされ、
二人はみんなの歓声と祝福を受け……フラワーシャワーの中にいた。



「うさ…、ほんとに綺麗よ……っ」


棗は涙ぐみながら雪兎を抱きしめた。


「……なつ…、ありがとう。ずっと大好き」


雪兎も棗を抱きしめながら瞳を潤ませた。


雪兎の言葉に棗はもうわんわん泣いていた。


優しくて頼りがいがあって、いつも綺麗でかっこいい棗はずっとこれからも雪兎の憧れで親友だ。


彼女に出会えた事を雪兎は心から感謝した。



「……おめでと!相変わらずムカつくくらい男前だよ」


ニヤリと笑って秋良が時春の肩に軽くパンチする。


「……ありがとう。アキ、俺は…おまえがいてくれてよかった」


「…………っ!!」


一瞬、目を見開いた秋良は…次にくしゃりと顔を歪ませて


「アホか…っ!俺まで泣かすなよ……!!」


そう言ってそっぽを向いた。



他人に興味の欠片もなくて愛想もないようなヤツに…秋良はしつこいくらいにしぶとく絡んでくれた。


最初は鬱陶しいくらいだったのに……
でも…いつも友達として助けてくれた。


かけがえのない親友の存在に時春は感謝した。







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