子うさぎのお世話
「うっわぁ~!!これは噂以上のオトコマエじゃん…!!」
「……。」
自分の顔を覗き込むように見てくる失礼な男が現れたのだ。
そのあまりに無礼千万の態度に、時春は心底めんどくさそうにじろりと視線だけを動かして見てやった。
失礼な男に失礼な態度をとっても罰は当たるまい。
「うおっと!睨むなよ~。美形は凄むと迫力ますね~。」
わざとらしく怯えたふりをして、失礼男はまるで気にしないとニヤニヤ笑っている。
「………。」
面倒くせぇし…無視だな…。
構うのも面倒だと、時春が再び寝てしまおうと目を閉じると
「…噂の彼女ちゃん、見て来ちゃったっ♪」
「………。」
そのセリフに
ピクリ…と、時春が反応する。
「何てゆーの?お人形さん?かぁわいかった~!注目されちゃって、ちっさくなってぷるぷるしてんだもん!」
――――ガタ…!
ゆらり…と立ち上がり、凶悪な顔で失礼男を見据える。
「…いい度胸じゃねぇか…」
ざわざわと賑やかだった教室がたちまち静まりかえり…ピーンと緊張した空気が漂いだした。