子うさぎのお世話




――――すると



時春のピリピリした空気も気にすることなく



「………!?」



にま~~っと、



――――笑ったのだ。この男。






さすがの時春も少し面食らってしまった。



ぎょっと切れ長の瞳が微かに見開かれる。



「悪い悪い!あんたみたいに清ました美形の慌てる顔見てみたいな~…なんてっ!」



「………。」



きゃは!と笑う男に悪いという気配は微塵もしない…



「…おまえ……」



「秋良(アキラ)!」



「……あ?」



「だ~から、秋良だってば!俺の名前!篠崎秋良(シノザキアキラ)。」



「……。」



アキでいーよ。と、暢気に笑う。人懐こい笑顔で。



そんなん知るかと言ってやりたいが…



もー…関わるのもめんどくさい…。



時春はふいっと無視を決め込むと、今度こそ自分の机に突っ伏した。



頭上ではうるさい男がまだぎゃーぎゃーと何か言っていた。







< 45 / 197 >

この作品をシェア

pagetop