子うさぎのお世話




かくして、



意気揚々と気合い充分で帰って来たはずの雪兎だったが……



「………っ。」





彼女は今



ソファの上で正座させられていた。



「…で?ずいぶんと遅い帰宅だけど…?」



「………!」



目の前には背中に怒りオーラを背負った笑顔の時春……



――――笑ってるのに怖い……!!



「えぇっと…。なつに悩み相談してて……」



雪兎はゴニョゴニョと言い訳を話しだす。



どうやら雪兎が思っていた以上に放課後の教室で長いこと話し込んでいたらしい。



なかなか帰って来ない雪兎を心配した時春にお説教をくらうはめになってしまった。



ちなみに床でなくソファに正座なのは時春の雪兎に対しての隠せない甘さだったり……。



「俺はなぁ…誘拐でもされたんじゃねぇかってくらい心配してたんだぞ…。」



「………。」



それはハルの考えすぎじゃ…



時刻は夕方6時。初夏の今、外はまだまだ明るい。



しかし怒る時春に言えるはずもなく…



ソファの上で小さくなってひたすら反省……。







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