子うさぎのお世話
思わず真剣に考えこんで、自分の世界に入ってしまった。
頭の上で微かに笑う気配がした。
すると
小さな雪兎の首筋にまるで子供のように顔を埋めて…
「…本物のうさだ……。」
「………!」
感極まったかのように言ったのだ。
大人のような彼の…まるで子供が甘えるような仕種…
子供の時のままの呼び名が
彼が触れる首が
…くすぐったい。
「…時春(トキハル)……。」
雪兎は、ずっとずっと待ち続けた彼の名前を
涙を堪えて呼んだのだった。