子うさぎのお世話




離ればなれになった時は6歳だった。



お互いにほんの小さな子供だった。



――――なのに



雪兎だっていつまでも6歳じゃないから、それなりに背だって伸びたけど…



16歳になった今だってチビでやせっぽちだ。



顔立ちだって大人っぽいとは言い難い…。



なのに、なのに



この男はどうなのだ?



10年前は自分と大して変わらないくらいのちびっこだったのに…



抱かれた腕や胸は服の上からでも逞しく、引き締まっているのが分かった。



背もずっとずっと高くなって、精悍な顔は大人の男のような色気まである。



いったい何を食ったらこうも育つんだ…?



自分の貧相な体に切ない思いを抱きつつ、思わずじとりと今もっとも成長を期待している場所(胸)に視線が行ってしまった雪兎だった。






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