月と太陽

「ちゃんとやってるって言うなら早く打ち合わせに行って仕事取ってきて欲しいんですけど。
仕事なくて退屈なのよ。」


「キィー!!!だから!あんたがアールグレイをね!コートがね!萌乃だってアールグレイなのよ!だからね!あの!ほらー!」

「わかったら。落ち着いて可那ちゃん。何言ってるのかサッパリだよ。」

琴音が細い眉毛の端を下げながらなだめる。


「とにかく下でタクシー待ってるからね。早く降りてきてね。」

琴音はパタパタと階段を降りていった。


「行かないってば!!もう!!
ケハッ!!ちょ!これアールグレイじゃない!」

可那は自分で置いたはずのティーカップをまたすすりながら言った。


「きゃははは!
美月ほら!あはは!そろそろあれ出してあげれば?」

「うん、そうだね。そろそろ飽きてきたしね。」

言いながら美月は椅子の横に置いてある紙袋から容器出した。上には霧吹きのようなポンプがついている。

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