月と太陽
美月は誰に対しても態度は変わらず、年齢に関係なく『呼び捨て』る。
20歳以上離れてると思われる片桐に対しても『片桐』と呼び捨て、
55歳を迎えた立花に対しても『立花』と呼び捨てる。
そして誰に対しても美月は『美月』で接する。
しかしどうもリリに対しては可那同様及び腰というか、気を使っているというような部分がある。
この2人がこの集まりの最年少だ。
「えー。あたしかわいーと思うけどなあ。」
萌乃が不服の目をリリに向ける。
「…なんか、余計痛々しいから、もういいよ萌乃。ありがと…」
「こんなのどこで売ってるのよ。」
「いや、うん、かっぱ橋…。」
「アンタまたかっぱ橋いったの!?」
かっぱ橋とはかっぱ橋商店街のことで、この辺りは問屋街でひしめいている地区で、『かっぱ橋で揃わない物はない』と言われるほど多種多様の問屋が並ぶ。
浅草にほど近い場所にあり、外国人観光客も多い。