《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
――はぁ、なんでだろう。この気持ち。
 私、おかしいよね。ねぇ。――

 仕事の合間、ぶらりぶらりと病院の周りを散歩していた。

 歩くことに専念しても、無意識にこの気持ちに対する答えを探し出そうとしている。

 ふとベンチに腰かけてみた。


「ねぇ、一緒に遊ぼうよ。」

 目の前に、小鳥みたいな動物がいる。

 きっとさっき誘った方が、メスだろうか。

 誘われた方がオスだろうか。

 仲良く飛びだっていく。


――あぁ、昔はシオンと一緒に遊んだね。

 だけど、今は、シオンに対してはこの、変な気持ち。――

 ふと、純粋な心を持つ小鳥がうらやましくなった。


< 20 / 222 >

この作品をシェア

pagetop