《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
「ルナ、ずっと幼い時から仲良くしてくれてありがとう。

 いっぱい喧嘩して、いっぱい共に叱られて。
 シオンもだったな。

 一番の心友だよ。どこにいっても。」

 ミュウエノアの笑顔を見た瞬間、また罪悪感が襲う。

 『一番の心友』っと言ってくれたミュウエノアを死なせたのは自分。


――自分が一番の“悪友”。――

 ルミナミエの目に涙がこぼれる。

 一番の心友っと言ってくれたことはうれしいが、でも、素直に受け止められない自分がいる。そのことが悔しくては、また涙を流す。

「ミュウ姫様。
 その言葉、ありがたくぅ、頂戴、ひぃ、致します。」

 謝るために呼んだはずなのに、謝罪の言葉が出なくなった。

 涙と面影が、すべてを邪魔する。

 一気に、床に倒れこんで泣いてしまった。

< 88 / 222 >

この作品をシェア

pagetop