*クリスマスのキセキ*
「……ったぁー」



 瑛斗は必死に起きあがろうとしてた。



でも怖くて、あたしは走り出した。



 瑛斗が後ろから、鬼の形相で追いかけてくる。


「はぁはぁ…」



 息が切れる。



肩で必死に息をする。





 オレンジ色の夕日の光の中、気がつけばさっきの白のダウンを着た人が、あたしの手を引いてる。





 一緒に走ってる!!



どーゆうこと?



ナニコレ??





 きりりとした眉の下に大きな黒めがちな瞳、鼻筋が通ってて。



背が高くて……



まさに世間でいうイケメン!!!!!



生暖かいその手は、数百離れた、近くの公園へとあたしを連れてきてた。


「屈んで」



 おっきな木の陰に身をひそめた。



 その声は、すっごく優しい。



あたしは、力が一気に抜けてしゃがみこんだ。



あんな瑛斗を見たのは初めてだった。
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